自作anovaでコストコプライムビーフを低温調理調理

先日、低温調理器を自作しました。

低温調理は「肉が固くなる温度まで上げず、殺菌される温度より高く」というちょうど良い温度を長時間保つことのできる調理法です。

いろいろ試したところ、やはり長時間加熱してこそ真価を発揮できるものだと思うのですが、そのためには小さい肉より大きい肉の方が「なかなか火が通らない肉にシッカリ火を通す」という問題解決になるため、大きい肉で試しました。

コストコの肩ロース1.6kgです。

今回の調理に使ったのはこのうちの半分程度770gです。

自作低温調理器は、ツインバードのスロークッカーを使っているのですがこの鍋サイズの容量がサイズの上限になります。この点本家anova は鍋サイズが任意なので羨ましいですね。鍋全体が加熱するとか蓋できるとかスロークッカーを使う良さもあるのですが。

コストコの肉はチョイスグレードとプライムグレードがあるのですが、今回は奮発してプライムグレードを買いました。それでもグラム218円なのですから安いです。

近所のスーパーだとこの辺の中途半端な価格帯があまりなくて、安い肉か国産和牛かという選択肢になってしまうので、この値段は嬉しいです。

厚さは正義

今回の設定は57℃で24時間です。初めの方で温度が安定せずに58℃超えてますね。(初めの方なかなか温度が上がらないので温度を上げるためには熱湯を加減して入れたりしてます。)

24時間低温調理した結果。
かなり水分が出てパサついてないか心配です。

重さを測ってみると調理前の770gと比べ140gくらい減ってます。

でも切ってみると中の方はしっとりと肉汁を吸収したままでパサついてませんでした!柔らかさと歯ごたえを兼ね備えた最高の状態です!

薄い肉でやっていた時には感じられなかった食感です。感動。
厚切りベーコンの様に切るも良し。コロコロに切って箸で一口で食べるも良し。

ワサビと一緒に食べるとまた格別です。(刺身についてきたパッケージのワサビでしたが、いいワサビが欲しくなった)

トーストサンドにして、ポーカーに忙しいサンドウィッチ伯爵がゲームしながら食べるようにするも良し。

あと豚肉とミスジも買ってあるのでまたいつの日か。

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自作低温調理器にポンプ搭載で循環もするようにしたり寿司を作ったり

先日Anovaが高かったから自作した話を記事にしましたが、また少し進展がありましたので記録を残しておきます。

Anovaとは何か?っていう人はこちらの商品群をみておいてください。

水中ポンプを買った

60℃近い温水で水中ポンプを動かしても大丈夫か分からなかったのですが、Amazonで購入したこのポンプは650円で買えるようなので壊れてもいいやくらいの気持ちで購入しました。


※レビューにもあるのですが、電源プラグが日本仕様でなくて変です。左右逆にして刺さるコンセントもあるのですが、入らないコンセントもありました。今は海外製のアダプタ通して使ってます。

何度かやった結果、ローストビーフとしてはそんなに長時間やらないほうがしっとり感があってうまいと思います。

これは16時間近くやったものなのですが、モモ肉なんかはスジっぽさはなくなるのですが水分が無くなってパサついてくるようです。そのぶんをオイルで補ったりしてこれはこれは美味しいのですがもはやローストビーフではないですよね。
後述の寿司でつかったローストビーフは30〜45分のものです。低温+長時間の調理器の機能を生かしてない気がするのですが、この方がローストビーフらしい感じで家族には好評です。

写真取り忘れたのですが、ステーキ用肩ロースを12時間とかやるとトングで持ち上げられないくらいダバダバの柔らかさになって好評でした。

とびだせ!おすし

参考にしたブログ記事で、ローストビーフ寿司を作っていたのを見て、ローストビーフもいいですが普通に寿司を作れたら子も喜ぶと思って、「とびだせ!おすし」を購入しました。

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これはアイテムとしては安いものなのですが楽しい!
さすがに本職の寿司にはなりませんが、回転寿司レベルのを寿司をより安く作れるといった感じです。でも見栄えはしますよね。

子も大喜びでした。

問題は食べる側の需要以上に、作る側が供給してくることです。今後は魚とかもやっていきたい所存です。

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anovaが高かったから低温調理器を自作した話

最近、よく見かける低温調理器のanovaですが、日本から買うと2万円以上はするようですし、公式サイトから買うとしても送料やら関税やらでやっぱり結構かかるみたいです。「低温調理してみたいんだけどなぁ」と思いが強く自作することにしてみました。

RaspberryPiなどから自分で温度制御しようと最初は考えたのですが、「一定温度に保つだけならばサーモスタットを使えばいいね」と考え検索してみたところ、すでに先人がいらしたのでありがたく参考にさせてもらいました。

参考にした方は熱帯魚用のヒーターを使って温めていたのですが、鍋部分も安いスロークッカーを使えばもっと簡単に作れるという情報もあったので、それを採用させていただくことに。

素人考えでは加熱部分の自作はちょっと怖いのですが、そのあたりは市販のスロークッカーを使用するので安心です。仕組みとしては温度を見ながらスロークッカーをこまめにスイッチon/offするだけの機械になります。

「いやいや工作は一切したくないんだ」という方にはこういうのもあります。INKBIRD ITC-306T デジタル温度調節器これとスロークッカーでも同様のことが実現できそうです。

購入したもの

  • ツインバードスロークッカー
  • デジタルサーモスタット
  • 電源用平型ケーブル、ベターキャップ(電源コードのオスメス)など。ホームセンターで調達。約500円
  • 100均 砂糖入れ(ケース用) 108円

作った

6000円以下で作成できました。スロークッカーは適当に安くて安心そうなものを選択しました。この商品でなくても電源のON/OFFがコンセント側からの電源入り切りで制御できればなんでもOKです。(本体にスイッチがあり電子制御されてるとダメです)
※電源ケーブルの作成などは電気を扱うので注意する必要があります。

2017/01/16追記
加熱器はこういった電気コンロを選択することもできますね。こちらの方が安いし鍋を自由に選べますね。(ただし加熱部分が露出しているので目を離すのがちょっと危険です)
デジタルサーモスタットにはこういった基盤タイプのものもありもっと安価に製造することができそうです。ケース必須です。サーモスタットに関しては制御する温度が1℃単位になっているものより0.1℃単位で制御できたほうがいいと思います。59.5℃で加熱を開始してもすぐには温度が上がりません。これが1℃単位の設定ですともっと振れ幅は大きくなるので0.1℃単位がオススメです。

私が購入したデジタルサーモスタット(KKmoon 90~250V 10A)はすでに販売終了していたようなので、現時点で在庫がある似たような商品ですとこちらになるかと思います。

ツインバードのスロークッカーも私が3000円程度で買った頃と比べると高騰してしまっているようです。アイリスオーヤマのものでも似たような感じで良さそうです。

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デジタルサーモスタットは、説明書が適当だったのでアマゾンのレビューを読んで操作方法や接続方法を把握しました。

写真右下にあるのは温度ロガーで、調理には関係ないですが、10秒おきの温度変化のデータを記録するために使用しています。

さっそく動作確認しました。(この段階ではまだケース未作成)

信頼できるであろう温度計として、タニタのスティック型温度計でも温度を計測してみました。おおむね±0.5℃程度には収まっている感じなので良好でしょう。

400gの牛もも肉を60℃で2.5時間調理し、低温調理後に表面を焼いてみました。
なんというのでしょう。とても柔らかいのですが煮込みのようなトロトロ感ではなくグニャリとした弾力感がありながら柔らかく、噛むたびに肉汁が溢れ出してきてひかえめに言ってすごく美味しいです。レアのようなクチャクチャ感はなくジューシーで柔らかい感じです。

データロガーの計測データはこちら

こうしてみると60℃よりも少し低温にみえますが、データロガー、サーモスタット、タニタの温度計のそれぞれが別の温度センサーなので多少の温度誤差があります。しばらく眺めてるとデータロガーの方が他の2つとくらべて低めの傾向でした。サーモスタットとタニタの温度計の表示では60度超えももっと出ていました。どの温度計の温度が正確なのか考えると「そもそも温度とは」という哲学になりそうなので、あまり気にしないで温度変化の傾向を見る程度にしておきましょう。

購入したデジタルサーモスタットは、設定温度から何℃以下になったら稼働させるかという設定を0.1℃単位で設定できます。今回は0.5℃に設定したので59.5℃になるとスロークッカーが作動するのですが、これを0.1℃などにすればもっと細かな制御ができると思います。

使用後はケース自体にケーブル類をしまえるのでスッキリです。

anovaは水を循環させる機能もついているそうなので、ポンプも買って水を循環させるようにもしたいです。
次回はもう少し温度下げてみたいのといい肉も使ってみたいです。あとヨーグルトも作りたいです。

※電源ケーブルなどの接続は注意が必要です。市販の電源タップを改造するなどの危険を冒さないように注意する必要があります。

参考サイト

低温調理器を自作する – 御食事件
スロークッカーとデジタルサーモスタットで低温調理器をつくろう – Levistone
Yet Another Perl Cooking – YAPC::Asia Tokyo 2015

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