anovaが高かったから低温調理器を自作した話

最近、よく見かける低温調理器のanovaですが、日本から買うと2万円以上はするようですし、公式サイトから買うとしても送料やら関税やらでやっぱり結構かかるみたいです。「低温調理してみたいんだけどなぁ」と思いが強く自作することにしてみました。

RaspberryPiなどから自分で温度制御しようと最初は考えたのですが、「一定温度に保つだけならばサーモスタットを使えばいいね」と考え検索してみたところ、すでに先人がいらしたのでありがたく参考にさせてもらいました。

参考にした方は熱帯魚用のヒーターを使って温めていたのですが、鍋部分も安いスロークッカーを使えばもっと簡単に作れるという情報もあったので、それを採用させていただくことに。

素人考えでは加熱部分の自作はちょっと怖いのですが、そのあたりは市販のスロークッカーを使用するので安心です。仕組みとしては温度を見ながらスロークッカーをこまめにスイッチon/offするだけの機械になります。

「いやいや工作は一切したくないんだ」という方にはこういうのもあります。INKBIRD ITC-306T デジタル温度調節器これとスロークッカーでも同様のことが実現できそうです。

購入したもの

  • ツインバードスロークッカー
  • デジタルサーモスタット
  • 電源用平型ケーブル、ベターキャップ(電源コードのオスメス)など。ホームセンターで調達。約500円
  • 100均 砂糖入れ(ケース用) 108円

作った

6000円以下で作成できました。スロークッカーは適当に安くて安心そうなものを選択しました。この商品でなくても電源のON/OFFがコンセント側からの電源入り切りで制御できればなんでもOKです。(本体にスイッチがあり電子制御されてるとダメです)
※電源ケーブルの作成などは電気を扱うので注意する必要があります。

2017/01/16追記
加熱器はこういった電気コンロを選択することもできますね。こちらの方が安いし鍋を自由に選べますね。(ただし加熱部分が露出しているので目を離すのがちょっと危険です)
デジタルサーモスタットにはこういった基盤タイプのものもありもっと安価に製造することができそうです。ケース必須です。サーモスタットに関しては制御する温度が1℃単位になっているものより0.1℃単位で制御できたほうがいいと思います。59.5℃で加熱を開始してもすぐには温度が上がりません。これが1℃単位の設定ですともっと振れ幅は大きくなるので0.1℃単位がオススメです。

私が購入したデジタルサーモスタット(KKmoon 90~250V 10A)はすでに販売終了していたようなので、現時点で在庫がある似たような商品ですとこちらになるかと思います。

ツインバードのスロークッカーも私が3000円程度で買った頃と比べると高騰してしまっているようです。アイリスオーヤマのものでも似たような感じで良さそうです。

created by Rinker
アイリスオーヤマ(IRIS OHYAMA)
¥2,980 (2022/12/03 19:06:38時点 Amazon調べ-詳細)

デジタルサーモスタットは、説明書が適当だったのでアマゾンのレビューを読んで操作方法や接続方法を把握しました。

写真右下にあるのは温度ロガーで、調理には関係ないですが、10秒おきの温度変化のデータを記録するために使用しています。

さっそく動作確認しました。(この段階ではまだケース未作成)

信頼できるであろう温度計として、タニタのスティック型温度計でも温度を計測してみました。おおむね±0.5℃程度には収まっている感じなので良好でしょう。

400gの牛もも肉を60℃で2.5時間調理し、低温調理後に表面を焼いてみました。
なんというのでしょう。とても柔らかいのですが煮込みのようなトロトロ感ではなくグニャリとした弾力感がありながら柔らかく、噛むたびに肉汁が溢れ出してきてひかえめに言ってすごく美味しいです。レアのようなクチャクチャ感はなくジューシーで柔らかい感じです。

データロガーの計測データはこちら

こうしてみると60℃よりも少し低温にみえますが、データロガー、サーモスタット、タニタの温度計のそれぞれが別の温度センサーなので多少の温度誤差があります。しばらく眺めてるとデータロガーの方が他の2つとくらべて低めの傾向でした。サーモスタットとタニタの温度計の表示では60度超えももっと出ていました。どの温度計の温度が正確なのか考えると「そもそも温度とは」という哲学になりそうなので、あまり気にしないで温度変化の傾向を見る程度にしておきましょう。

購入したデジタルサーモスタットは、設定温度から何℃以下になったら稼働させるかという設定を0.1℃単位で設定できます。今回は0.5℃に設定したので59.5℃になるとスロークッカーが作動するのですが、これを0.1℃などにすればもっと細かな制御ができると思います。

使用後はケース自体にケーブル類をしまえるのでスッキリです。

anovaは水を循環させる機能もついているそうなので、ポンプも買って水を循環させるようにもしたいです。
次回はもう少し温度下げてみたいのといい肉も使ってみたいです。あとヨーグルトも作りたいです。

※電源ケーブルなどの接続は注意が必要です。市販の電源タップを改造するなどの危険を冒さないように注意する必要があります。

参考サイト

低温調理器を自作する – 御食事件
スロークッカーとデジタルサーモスタットで低温調理器をつくろう – Levistone
Yet Another Perl Cooking – YAPC::Asia Tokyo 2015

自作anova低温調理の他の記事


anovaが高かったから低温調理器を自作した話」への1件のフィードバック

  1. 初めまして。電子部品の拡販をしている者です。

    記事を拝見させていただきまして、ぜひブログ上でタイアップができないかと考えております。

    突然の連絡で大変恐縮ではございますが、詳細についてご相談させていただくことは可能でしょうか。

    何卒、よろしくお願い申し上げます。

    ANCHOR
    代表
    森下彰大

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください