Apple Care+ for iPhoneに入るべきかどうか

Apple Care+ っていう有料オプションがあるじゃないですか、予めお金を払うことを契約しておいてiPhoneが壊れた時なんかに少額の負担で済むような、ようするに保険です。

iPhone7も発売されることだし、あらためてApple Care+について考えてみます。

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Apple公式のApple Care+だと14,800円一括です。一括で14,800円も払うのはちょっと痛いのですが、各キャリアもApple Care+を元にした有料オプションがあってこちらは月々の分割で支払うことができて、だいたい600〜700円/月ぐらいです。2年間払うと公式のApple Care+よりも若干高くなりますが、毎月少額払えばいいので加入はしやすいサービスですね。月700円くらい払ってもしもの時に備えて安心が買えるというサービスになります。いいですね。

「iPhoneの画面割っちゃったけど、Apple Care+に入ってて良かったー」って思ったことあるかもしれません。でもちょっと冷静に考えてみましょう。

保険の仕組みを考える

そもそもの保険の仕組みを考えてみると、「みんなで少しづつお金を集めて、集まったお金で不運なトラブルにあった少数の人を助けてあげましょう」って考えです。

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例えば火災保険。1万人から千円ずつ集めれば1千万円あつまります。その中で0.01%の不運な1人が火事を起こしてしまった時にその1千万円をあげるとします。その人はたった千円しか払ってないのに1千万円もお見舞い金もらえました。ありがたい。助かりました。

一方、残りの人は千円損しましたが、たった千円損しただけで火事で大損害になったときに1千万円もらえるという安心が得られるのだから、まあいいですよね。

この考えをビジネスとして成立させるためには、もっと考えることがあります。例えばたまたま不運な人が2人いたら、2千万円かかってしまうので足りなくなってしまいます。
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なのでビジネスとして成り立たせるためには、統計を活用して全体のうち何%まで火事を起こすという確率を求めて、自社の利益も入れたうえで絶対損をしない額の保険料にしてるわけです。
(余談ですが、もし宇宙人が襲来して都市をまるごと焼き払ったら保険会社はお金払えなくなってヤバいですよね。でも、そういう天変地異や戦争みたいなのは免責といって「そういうのはお金払わない」ってちゃんと書いてあります。)

そう考えると、保険に加入する人は統計的に言って必ず負けるギャンブルをしているとも考えられます。

「じゃあ、保険とか必ず負けるギャンブルだから全部不要なの?」かというとそれも違います。たまにしか起きない不運なトラブルにあった時に、にっちもさっちもいかない人生詰んでしまうような事態は避けたいですよね。「確実にちょっと困る」のはいいけど「不確定に致命的に困る」ってなるのは避けたいわけです。そういう事態に対して安心を買うために保険に入ります。
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例えば、火事になったら家も財産も失って大変困ります。自動車を壊したら移動も困るし突然に何百万も出費が必要になります。人を轢いて死なせてしまったら億単位で払わなきゃならないかもしれません。払えません。非常に致命的に困ります。そうなりたくないからちょっと出費して安心を買うわけです。

保険の要らない例

そう考えると、わざわざ負けるギャンブルしなくてもよいのがどういうモノかわかります。
トラブルが起きた時に自力で解決できるケースです。骨折したときに3万円出るとか、3万円貰えれば確かに嬉しいです助かります。でもそれ確実に負けるギャンブルなのです。そして3万円の出費は確かにツラいですが少しぐらい困っても自分で払える額の保障なら負けるギャンブルにチャレンジしなくていいですよね。
「参加費100円でジャンケンして勝ったら150円あげます。あいこか負けなら0円です。」ってゲームに普通参加しませんよね。(でも今100円しかなくて絶対今すぐ150円が必要なんだって人は負けるギャンブルに賭けます)

まとめると「多少苦しい思いをしても、自分で払える額の負担ならそのギャンブルに参加すべきでない」ということになりますね。

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お金持ちの人は300万の車を事故って300万円パーにしても、ポンと300万円また出して新しいクルマを買えるなら車両保険には入る必要ありません。(対人とか対物ではなくて、あくまで車両保険)

一方で、またある人は車をローンで買って月々数万円ずつ返済している。もし事故って車を失ったら生活ができない。だからといってさらに新しくローン組むのも無理。生活が破綻する。というケースでは、月々数千円プラスして車両保険に入ってリスクに対処できます。

Apple Care+を考える

Apple Care+の話に戻ります。

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「iPhoneの画面割っちゃったけど、Apple Care+に入ってて良かったー」って言っていたパターンですがiPhone7で考えた場合、(最近Apple Care+の価格や修理代金がちょっと変わったのでややこしいのですが)

Apple Care+に加入の場合、3,400円で画面修理してくれます。「安いー入ってて良かったー」って思うかもしれませんがApple Care+の代金も払っているので+14,800円で計18,200円(税別)になります。
Apple Care+に未加入の場合、12,800円(税別)になります。

2年間で画面を1回割る程度であれば、加入しない方が安く済みますね。払える金額の保障なら不要って話をしようと思ったのに、入らない方が安いという。。。

「いやいや、俺の使い方では2年間で2回くらい画面割るわ」っていう人は、

Apple Care+に加入の場合、3,400円x2回+14,800円で、21,600円(税別)になります。
Apple Care+に未加入の場合、12,800円x2回で、25,600円(税別)になります。

これだとApple Care+に加入した方が4,000円お得ですね。でも4,000円しか違わないんです。

Apple Care+の内容が変わって画面修理が安くなってます。なので2年目以降の自然ではない本体の故障があったとして。2年間で画面修理1回、本体修理1回発生した場合。(1年以内の自然の故障ならApple Care+なしでも製品保証が効く)

Apple Care+に加入の場合、3,400円+11,800円+14,800円で、30,000円(税別)になります。
Apple Care+に未加入の場合、12,800円+32,000円で、44,800円(税別)になります。

これだとかなり差がでますよね。14,800円も安く修理できます。でも14,800円節約するためのギャンブルに参加していいのでしょうか?その差額で生活が破綻しないなら入らない方が統計的には損しないはずです。iPhone7は防水みたいだし水没で壊すリスクはかなり減りそうですよね。

まとめ

「2年間で画面破損1回まで想定」であればApple Care+で修理代金は得しません。修理代金について考えるときは自分がどれぐらい壊してしまう想定なのかよく考えてみましょう。
だいたいそのぐらいの破損率なんじゃないでしょうか?

でもちょっと待ってください!
Apple Care+は修理代金の保証だけの商品ではありません。電話によるテクニカルサポートやエクスプレス交換サービスなどもあります。修理代金だけを目当てに判断せずにこういったサービスも含めて評価してください。
例えば手厚いサポートができない実家の親のためとか考えると電話サポートの価値は高いですよね。(某デポとは違ってAppleのサポートはかなり親切です)
製品保証(付属品やバッテリーなどの不良による修理)についてはApple Care+なしでも1年間はあります。またGenius Barが近くにあるかどうかでも価値は変わってきますね。

損得で考えてApple Care+は入らない方がいいって言ってるのではないです。
「3,400円ですんだ安かったー」って思っちゃう気持ちはわかります。人は「自分は損、失敗してないんだ」って思いたいので考え方が偏ってしまいがちですが、「先に14,800円払ってる」ということも冷静に考えて評価しましょうという話です。

損のしないオレオレCare+を考えてみました
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画面破損1回しかサポートしませんが、急な12,800円の出費を軽減する商品ですw Apple Care+よりずっと薄い保証ですが、そのかわりずっと安いです。
2年間一度も破損しなかった場合には、ご祝儀で掛け金が全額返ってきます。損しません!


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